第19回研修の様子

■日 時:平成13年11月10日(土)11日(日)の2日間
■会 場:「かでる2・7」(札幌市中央区北2条西7丁目)
■参加者:80名

通信生の方々が遠方より15名以上も御参加くださり、素晴らしい研修会を開催することができました。本当にお疲れ様でした。通学生の方々も熱心に参加されて、スタッフ一同とても勇気づけられました。心よりお礼を申し上げます。 他団体の研修会に比べて、当教室で学ばれている参加者各位の魂の質がとても高いので、いつもいつも感激しています。ありがとうございます。


研修内容は、以下のスケジュールで行なわれました。
なおプライバシーの関係上氏名は伏せています。

<1日目・午前&午後> 「箱庭療法の実習」
平安病院サイコセラピスト 金城 孝次 先生

研修参加者が制作した箱庭作品を前にして、制作者のひとり一人と一緒に味わい共感することの大切さを身をもって示し、その後に懇切丁寧に解説をされる金城先生のお人柄と力量は日本箱庭療法学会でも折り紙つきです。

このような素晴らしい先生に恵まれた私たちは、とても幸せだと思います。

箱庭療法は心理テストではなく、系列的理解がなによりも大切であり、箱庭作品の中に一つでもよいから希望を見つけ、それを見守り、一緒になって大切に育てていく。それがクライアントの成長を促し、自立した人間として生きる意欲を取り戻す。そのように金城先生に教えて頂きました。

ミニレクチャーを随所にいれて説明される金城先生のお言葉は、心理臨床の第一線で活躍される先生ならではの貴重な「言葉の花束」と感じ入りました。

金城先生、いつもいつも、ありがとうございます。

 


<2日目・午前> 「箱庭療法の象徴解釈」
京都大学大学院教授 岡田 康伸 先生

待ちにまった岡田先生の初講義です。

レベルや質を落とさずに分かりやすい内容に、参加者全員感激していました。

まず顔面麻痺の事例をあげて、顔面はペルソナと関係が深く、それは社会の役割を象徴する。だから顔面麻痺になるということはペルソナに問題があるのではないかと考えて(しかし断定したり図式化しないで)、それをテーマとして広がりをもたせて解釈することが大切である。というお話から始まりました。

湯川秀樹の自伝『旅人』を引用し、湯川秀樹自身も子供のころ駄菓子屋からミニチュアを買ってきては箱庭遊びをして自分の心の世界を表現していた話。トランスパーソナル心理学のブレスセラピーのお話では、カウンセリングが有効性を発揮するには必ず「乗り越え」体験があり、それは変性意識状態での超越体験を指しているのではないかと説明されていました。

作品解釈には、視覚のみならず、聴覚、味覚、嗅覚、触覚のすべてを使って、全体を細部に分解するのではなく、全体を見ながら部分を解釈する大切さなどを教えていただきました。

スペースの関係で、紹介しきれないのが残念ですが、次回の研修会(H14年2月)にもご指導に来てくださるので、皆さん期待してくださいね。

 


<2日目・午後> 「遊戯療法の基礎」
明治大学教授 弘中 正美 先生

弘中先生の語り口は淡々としたなかにもユーモアがほどよくきき、先生の臨床家としてのお人柄の素晴らしさを彷彿とさせる内容でした。

遊戯療法の方法論と実践例について、楽しくもあり、目からウロコの「なるほど」体験をさせて頂きました。

スライドを使った楽しい絵本のお話。その後にアクスラインの8つの原理の説明に入りました。@ラポールの大切さ、A子どもをあるがままに受容する、B子どももセラピストも自由に自分を表現できるおおらかな雰囲気、C感情の察知と適切な伝え返し、D子どもの自己治癒力への信頼、E子どものリードを大切にする、Fゆっくりとしたペース、G制限(時間・場所・過度な攻撃についてのルール)について具体的に丁寧に解説していただきました。

最後は、難治性てんかん、学習機能障害小学一年生男児の治療過程のご説明。攻撃的な遊びを繰り返し、箱庭でも強い動物と弱い動物との対決を表現していたクライアントが、あるとき蛙を土の中に埋めて、マッチを燃やす箱庭を制作。その後の面接では、マッチを立てた宗教儀式的な箱庭を作り、ついに以前に埋めていた蛙が「冬眠からさめた」といって地上に出てくる(蘇った)箱庭を制作して治療が終結した事例です。

その見事な治療経過は、最高級の物語作品を読んだときの感動と同じような体験をさせて頂きました。

弘中先生に心より感謝いたします。

 


<2日目・夕方> 「グループ・アプローチ」
平安病院サイコセラピスト 金城 孝次 先生

今回の金城先生のグループ・アプローチは、リーダーの役割とグループダイナミックスの体験を重視した内容でした。

個人面接では体験できない「気づき」と「癒し」がグループにはあります。参加者は自分の「気づき」の力がどの程度のものなのかが体感できたのではないでしょうか。

90分間という短時間で、どれだけ他者への配慮と自己の感情の流れに気づくことができたか興味深いところですが、終了後の感想では多くの人が、今まで思ってもみなかった「気づき」が得られたと述べていました。

徐々にレベルアップした内容に、カリキュラムの創意工夫を加える金城先生の指導力の見事さを如実に感じた内容でした。


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