第20回研修の様子

■日 時:平成14年2月23日(土)24日(日)の2日間
■会 場:「かでる2・7」(札幌市中央区北2条西7丁目)
■参加者:75名

遠方より通信生の方が多数参加されました。いつもいつも心より感謝しています。箱庭の事例検討会では通信生が熱心に質問され、とても活気のある研修会でした。


研修内容は、以下のスケジュールで行なわれました。
なおプライバシーの関係上氏名は伏せています。

「バウムテスト」
ホノルル大学客員教授 上原 シゲ子 先生

上原先生のバウムテストの読みは鋭く正確です。

臨床経験を積んでこられた先生ならではの「読み」は描いた人のパーソナリティを深いところから言い当てます。

バウムテストは「木を描いてください」という教示にしたがって木を描くだけですが、いろいろな木がA4のコピー用紙に描かれます。描く人によってこんなにも違うものかと驚きます。人には同じ人が一人もいないように、描かれた木は描いた人その人の表現であるという仮説にもとづくバウムテストには人類共通の普遍的なものに繋がる象徴的意味合いがあるのかもしれまん。

心理テストは相手を理解し受容し共感するためにこそある、というカウンセリングの基本も大切だと思いました。

 


「箱庭事例検討」
サイコ・オフィス代表 金城 孝次 先生

今回は金城先生の扱った事例を紹介してくれました。

数十枚のスライドを使っての事例検討は、箱庭の治療効果の素晴らしさを実証しています。

守秘義務とプライバシーの問題があるので詳しくは書けませんが、子どもが何気なく置いた箱庭のパーツに親の犯罪行為が表現されていたという作品がありました。子どもも知らない親の犯罪行為がどうして箱庭に表現されているのか。子どもと親は深く無意識でつながっていて、親の行為が無意識を通じて子どもに伝わり、子どもの意識にイメージとして出現して箱庭に表現されたと考えられます。

ユングの集合的無意識とシンクロニシィティの仮説を実証しているような事例でした。

 

 


「コラージュ療法」
京都文教大学教授 森谷 寛之 先生

コラージュ療法の第一人者である森谷先生にコラージュ療法では2回目の御指導を頂きました。

四つ切(B3)の画用紙に自分の気になる写真を自由に貼っていくだけの方法ですが、自分の無意識にある思い(イメージ)を画用紙上に写真を貼りつけという行為で表現(現実化)するだけでスッキリとした気持ちになります。制作する過程で心が癒されるのでしょう。

スライドでの事例紹介もありました。思春期のクライアントが制作したコラージュの迫力と不可思議さに圧倒されました。地球から自転車が飛び出したり、自分が地球を支えていたり、ダイナミックなコラージュが沢山ありました。

コラージュを通じて、思春期の心がいかに激動しているかが分かりました。

 


「箱庭療法の基本(1)」
京都大学大学院教授 岡田 康伸 先生

岡田先生には3回シリーズで箱庭療法の基本というテーマで講義をして頂く予定ですが、今回はシリーズ第1回目です。

箱庭療法の歴史から入りました。箱庭療法のルーツはローエンフェルトの世界技法(The World Technique )であり、それが二つに分かれて、アメリカではビューラーの世界テストとして診断重視、スイスではカルフのサンドプレイセラピーとして治療法重視として発展、それを河合隼雄先生が日本に導入した経緯を懇切丁寧にお話くださいました。

日本には平安時代から洲浜という盆景を作る遊びがあり、室町時代や江戸時代を通じて盆景や盆石の伝統があり、大正時代の国語教科書にも箱庭遊びについての文章があることから、日本には箱庭療法を受け入れる伝統がすでにあったことを指摘されておりました。

 


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