第21回研修の様子

■日 時:平成14年7月6日(土)7日(日)の2日間
■会 場:「かでる2・7」(札幌市中央区北2条西7丁目)
■参加者:105名

今回は京都大学大学院教授の山中先生と岡田先生の実習と講義が聴けるということもあり、100名以上の方が参加されました。

誠に有難うございます。

今後も参加者の皆様が資質の高いカウンセラーになれるように、また社会や時代が要請する研修内容にするために刻苦勉励する所存ですので、宜しくお願い致します。


箱庭制作のために玩具を選ぶ参加者


研修内容は、以下のスケジュールで行なわれました。
なおプライバシーの関係上氏名は伏せています。

「風景構成法」
ホノルル大学客員教授 上原 シゲ子 先生

風景構成法は、精神科医中井久夫氏が河合隼雄先生の箱庭療法からヒントを得て考案した枠付け法を取り入れた描画法です。

もともとクライアントを箱庭療法に導入するかどうかの判断に使われていましたが、昨今はアセスメントや自然治癒力を活性化する心理療法として注目をあつめています。

詳しいことは省きますが、川、山、田、道、家、木、人、花、動物、石、その他付加したい物を描いて、それらを一つの風景として構成する方法を採用しています。

上原先生のOHPを用いた数多くの作品紹介と臨床体験を踏まえた丁寧な解説は、、読書だけでは理解しにくい部分も容易に理解できる内容になっており、生の講義ならではの感銘がありました

 


「箱庭療法におけるマンダラ表現」
京都大学大学院教授 山中 康裕 先生

待ちに待った1年振りの講義です。

ユング心理学を踏まえた曼荼羅と六牛図のお話で、真言密教の金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅のお話を分かりやすく解説していただきました。

曼荼羅は4と9がポイントで、四角や丸で表現されることが多く、両界曼荼羅は外枠は四角形で空間も九分割されています。

マンダラ研究の浅い頃には、マンダラが箱庭に表現されたときはクライアントの変容が生じている良い傾向としてだけ注目され、極端な場合はマンダラをクライアントに描かせる治療者もいたそうです。

マンダラ研究が進むにつれて、マンダラ表現はクライアントの変曲点(数学の二次関数分野の用語)であり、クライアントはその後に良くも悪くもなり、いわば人生の岐路に立たされていることがわかった、と力説しておられました

 


「箱庭療法の基本(2)」
京都大学大学院教授 岡田 康伸 先生

箱庭療法の歴史をユングのコンステレート理論をベースにご説明くださいました。

さらに箱庭の治療的場面でのThとClと箱庭の三者間に流れる心的エネルギーの流れ、深さ、静かさについての説明は、実際のカウセリング場面で直接に役立つような内容でした。

ThはClに半歩遅れてついていくこと、Thの心が面接場面でどのように動くのか、何を感じているのか、それを大切に扱うことが重要である。ただ箱庭に逃避してはならず、それはThの逆転移であることを認識すべきである、という一つひとつの言葉が心に響く内容でした。

その他イメージとユング理論の秘儀アクティブ・イマジネーシについても具体例をとおして分かりやすいお話しでした。


「箱庭の実習」
サイコ・オフィス代表 金城 孝次 先生

研修参加者の制作した箱庭作品を丁寧に解説される金城先生。

皆の前で自分の作品にコメントされるのは最初は少し恥ずかしいかもしれませんが、いまの自分の在りのままの気持ちを表現することは、それだけでも心が癒されます。

カウンセリングを学習する者にとって自己理解と自己受容がアルファでありオメガ。心の旅の途上で出会う金城先生のコメントの適切さには臨床現場で活躍されるプロの凄さを感じます。

先生の態度から、他者受容の大切さも学ばせていただきました。有難うございます。


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